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「総真来てたんだって?」
「うん。羽咲の様子話したら、謝りたいって押し通されたから入れた」
「……わかってたか?」
「碓氷くんに説明したときよりは楽だったよ」
「あんときは大変だったな……」
「薬飲んだって言っても薬局に駆け込んだもんね。でも総真がいてくれたおかげで、羽咲も気が紛れたみたいだよ」
「あいつ、早く婿にこねーかな……」
「羽咲、まだ十四歳だよ。そうだ。お夕飯は少し食べたんだけど、お風呂は痛みが引いたらにするって言ってたから、今日は私、羽咲の部屋で寝ようと思うんだけど……晃くん怒る?」
「怒んないよ。なら俺は完徹だな」
「無理……と言うか無茶しないでよ?」
「しないよ。……さゆ、大丈夫か?」
「咲羽に話すことがたくさん出来たから、早く逢いに行きたいくらい」
「そっか。さゆも無理しないように」
「はーい」
――十年前。
僕と由羽が六歳、小学校一年生で、うーが四歳、保育園生の頃、咲雪さんは新たな命を授かった。
「総真来てたんだって?」
「うん。羽咲の様子話したら、謝りたいって押し通されたから入れた」
「……わかってたか?」
「碓氷くんに説明したときよりは楽だったよ」
「あんときは大変だったな……」
「薬飲んだって言っても薬局に駆け込んだもんね。でも総真がいてくれたおかげで、羽咲も気が紛れたみたいだよ」
「あいつ、早く婿にこねーかな……」
「羽咲、まだ十四歳だよ。そうだ。お夕飯は少し食べたんだけど、お風呂は痛みが引いたらにするって言ってたから、今日は私、羽咲の部屋で寝ようと思うんだけど……晃くん怒る?」
「怒んないよ。なら俺は完徹だな」
「無理……と言うか無茶しないでよ?」
「しないよ。……さゆ、大丈夫か?」
「咲羽に話すことがたくさん出来たから、早く逢いに行きたいくらい」
「そっか。さゆも無理しないように」
「はーい」
――十年前。
僕と由羽が六歳、小学校一年生で、うーが四歳、保育園生の頃、咲雪さんは新たな命を授かった。



