「あ、そっか。そうだよね。なら、デートの日はうーの予定わかってからにしようか?」
「ごめんね……?」
「いいよ。久しぶりに逢うんだもんね」
「うん。お兄ちゃんに好きな人がいるって咲羽(さわ)ちゃんに報告するんだ」
「え、何それ。俺聞いてないよ?」
「ふふっ。今度のデー……トのときに、総真くんにも教えてあげるね?」
微笑むうーの、声も表情も穏やかで……激しく過ぎ去ったあの頃の傷が、少しは癒えているといいな……って思った。
僕はまた、うーの頭を撫でる。
再来週の日曜日は……うーと由羽の妹の、命日だ。



