「あー、総真くんが優しすぎて悔しくなってきたー。総真くんとお出かけする権利、自分で勝ち取りたかった……!」
「最初の約束の方? まだ結果出てないだろ?」
「出てないけど、唯浜には負けると思う……」
「今からそれ悩んでてどうするの。ならそれは結果待ちで、デートの話でもする?」
「する」
こくこく肯くうーの頭を撫でたら、びくっと肩が跳ねた。
「ごめん、嫌だった?」
「ち、ちが……びっくりしちゃって……。もう一回お願いしていいですか……?」
そう言う、うーの顔が真っ赤なのに真剣で、やっぱり自然に笑みが浮かんでしまう。
「いつがいいかな。うー、今度部活休みの日とか空いてる?」
勉強机の前の壁に貼られているカレンダーに目をやりながら訊くと、うーは少し間をおいて口を動かした。
「今度は……ごめん、再来週の日曜なんだけど、お寺行くから……」



