「うん?」
「手、出して?」
「うん」
うーに言われて、僕は両手を、手のひらを上に向けて差し出した。
「……こういうのは付き合ってる人がすること、って怒る?」
「? うー何かしたいことあるの?」
「………手、握っててほしいなあ、って……」
「それだけでいいの? いいよ」
「……ありがと」
うーの顔が布団に隠れていく。
布団の端を掴んでいるうーの右手をからめとって、握った。
「うー、手熱いけど熱もある?」
「……こういうときって微熱も出るんだ」
お腹痛いだけじゃなくてそんなことまであるんだ……。
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