「はい、勿論」
「ありがと。あと気になってたんだけど、唯浜くんって名前、唯浜ユイくん?」
あ、唯浜の地雷踏んだ。
総真くんのフォローをすべきか、友達として唯浜に助けを出すか悩んだ一瞬の間に、唯浜は困ったように苦笑した。
「いえ……唯浜論、です……」
「ろんくん?」
「……論文の論、です。変わった名前なんで、みんなには『ユイ』って呼んでもらってるんです」
「先生もユイのことはユイって呼んでるんだよ。唯浜って呼んでるのは羽咲ちゃんくらい」
助け舟を出したのは、さすがの水都ちゃんだった。
「そうなんだ。俺もユイくんって呼ぶ方がいいのかな?」
「それは……」



