愛は惜しみなく与う④

「まぁいい。お前が今何してようが、俺には関係ない」

「冷たいね、一応兄弟なのに」

何考えてるか分からない表情は、昔よりも不気味で嫌な感じがした


周りの7人は動く気配はない



「ねぇ、兄さん。父さんこのままだと、赤羽組にやられちゃうの知ってるよね?助けてあげるよね?」

「お前の父さんだろ?俺にとっちゃ他人だから、どうなろうが、知ったこっちゃねーよ」


なんで呼び出した?ここで何をするつもりだ?
家には…あの女とあいつが居るのか?

1対8はきついな。飛び出してきたもの、昼間にこいつにバッドで殴られた頭はズキズキしてるから



「ねぇねぇ、じゃあさ」


一歩近づいて、大和の顔が目の前にくる



「あの金髪の可愛い女の子、兄さんの、なに?」



思考よりも身体が動くのはこのことだ
目の前の大和の服を掴み引き寄せた

ここで殴れば1対8が始まる

確実に無理だ

でも



「杏に手ぇだしたら、お前ら殺すぞ」



杏も、俺と同じように苦しんでる

その傷をさらに抉るようなこと、絶対にさせない