志木は今からは、明日の摘発の準備に取り掛かってもらわなアカン。
やし、ここで別れな。


「タクシー拾って」


あたしの言葉に頷いて、志木は車の鍵を渡してくれた。


「泉!運転して」

鍵を渡すと、泉は険しい顔で電話を切った


「どう?」

「…silver KINGが、倉庫に来たらしい。すぐにみんな向かったけど、途中で朔が居なくなったみたいだ」


少しイライラしている様子の泉は、車に飛び乗り、すぐさま車を発進させた

まさか…silver KINGの方から動いてくるとは思わへんかった。てゆうか、朔の弟が総長ってことやんな?

朔は…


「どこ行ったと思う?」

「……赤羽組のところか…実家かな」


赤羽組のところには、行かんといてほしい。こっちも準備してるし、さすがの朔も、1人で乗り込むことはせんと思う


あるとしたら


実家か…



「実家は、分かる?」

「あぁ」

「ほな、実家いこ。いる気がする」


朔の嫌な思い出がたくさん詰まってるであろう実家。そこに自ら足を踏み入れるのは、とても…とても精神的に辛いもんやと思う