愛は惜しみなく与う④

「頼まれたって?その如月冬馬のことを刑務所から出してくれって?」

訳がわからん

如月冬馬

誰やそれは。あたしの婚約者で、サトルが刑務所から出してくれと頼むような人


サトルの右腕?


チラリと志木を見ると、首を横に振った


スコーピオンのメンバーには、おらんってことやんな。


でもどっちにしろ、赤羽組を摘発するときに、出てくるってことや。
それが、早いか遅いか。今直ぐか、冬になるか。それの違い


赤羽組を放っておく選択肢はない。
朔も巻き込まれてるしやっぱり…

選択肢は残されてない



「仕方ない。このまま摘発する。志木はそのまま進めて。泉とあたしは帰ってみんなに状況説明して……明日の夜、摘発決行」


「あ、杏様!でも、それじゃあ…」


「あたしのことは今更や。鈴まで使ってくるなら、あんたらも本気ってことやろ。すぐに…すぐにお前ら全員潰したるからな」


ほんまに今更やねん。
もう写真とかでどーこーゆうてられへん。

あぁ

決着が近づいてきたな


「泉、ありがとう。決めさせてくれて」