愛は惜しみなく与う④

「ん?」

「弱くて、ごめんなさい」


泣きそうになります
こんな小さな手で、私達を守ろうとする杏様に

私は何もしてあげられないなんて


「どうしたん?」


不安そうに泉と私をキョロキョロみる杏様


後はもう、任せますね
私はやっぱり…
杏様を傷つけてしまうとわかってることを、口に出せない。弱いんです



「あーうん。杏、こっちおいで」


泉は近くにある椅子をポンポンと叩く

杏様はそれを見て、私を最後にチラリとみて、その椅子に座った




『杏はそんなに、弱くないよ』



そう笑った泉を信じて



勝手に弱いと、守らなければと思い込んでいましたから。


そりゃそうですね


弱くないって言ってくれる人の側じゃないと、強くなれない


今日は本当に


泉がいてよかった



これから伝える事が、杏様を酷く傷つけるとしても


私も一緒にそれを、支えていけるように強くなりたい


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