愛は惜しみなく与う④

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本当にただただビックリした


朔がいなくなって2時間


朔が帰ってきた



「わりぃ。逃げて、手当てだけその辺の診療所でしてもらった。携帯充電なくて…それで…」



ふらふらと朔は歩いて、あたしたちを見て謝った



「アホ!心配したやん!!」



言いたいことは山ほどあった。
でも朔の顔を見て安心して涙が出た


「バーカ。いてぇよ」


力なく笑う朔を力一杯抱きしめる。
頭の怪我以外、新しい傷は増えてないようで…

どうやって帰ってきたとか

いろいろ聞きたいけど


とりあえず無事に戻ってきてくれたことに感謝する



「朔…助さんのところ行くか?」

「いや…水瀬いるだろ。やめておく」


朔がそういうもんだから、志木に目線を送ると、コクリと頷いて志木は朔に近付いた


「医療の心得はあります。よければ私が見ます」


絶対嫌がると思ったのに、素直に頼んだと…志木に笑った


お…かしい


漠然とした気持ちやけど



朔がおかしい…