愛は惜しみなく与う④

-----

「志木さん、少し聞いてください」


泉は神妙な面持ちで話し出す。杏様は変な医者と一緒に待ってますが…

わたし的にはあの変な医者と2人っきりっていうのも心配なんですけど、今は仕方ありませんね…


「朔から聞いて、脅しの材料。杏の写真を見せられたらしいです」


なんと…
まだ、出回っているのでしょうか


「いつの写真です?」


昔のは大方、データー自体を壊したりして、出回らないようにしたんですが


「この前の水瀬の時の写真」

「なる、ほど。最後まではされてませんよね、その時」

「はい。でも、その写真をばら撒くって言われたらしくて、朔は…赤羽組の手伝いをすることを、呑んだらしいです。」


うーん
そうですね。出回るのは困りますし、杏様も…そういう耐性は、低いと思います。

鈴の時なんて…


杏様は消えてしまうんじゃないかと、心が痛かったですから


あんなこと二度と思い出して欲しくもないし、記憶を消せるなら消してあげたいと、毎日思います。


ただ