愛は惜しみなく与う④

「杏?ちょっと助國さんと待っててくれる?」

「あたしは聞いたらあかんの?」

「うん…お願い」


いつもは、多少のわがままは聞いてくれるし、水瀬のところに連れてきてくれたのは泉


泉は過保護だけど、知らなきゃいけない事、あたしが関わっていることは、しっかりと伝えてくれる


でも、今は、志木と2人で話したいらしい


あたしの、ことやろな

頷くしかないやんか

巻き込んだくせに

こうなることも分かってたくせに

甘えてたんはあたしや



「水瀬が逃げへんように、助國さんと見てる」

「うん、ありがとう」

待っててな


頭に大きな泉の手がのり、少しホッとする


助國さんの居る部屋に行くと、もういいのか?と聞かれた。あと少し


「なぁなぁ、あたしさ、どーしたらいいと思う?」

「何がじゃ!あんな暴れておいて、悩み事か?」


ほら飲め!とあったかいコーヒーが目の前に。
おじいちゃんみたい。


「あの男…お前さんの知り合いか?」

「あーうん。あたしを苦しめてる奴らの1人やなぁ」