愛は惜しみなく与う④

皐月ちゃん以外、すごく微妙な顔をした。
あたしが関西に明日戻るということに。

あまりにも突然だから。

そしてなにより志木がわざわざこちらに来て伝えたということは、何か大きな事があるんじゃないのかって



「いつ戻る?」

「どうやろ…ちょっと未定。大人しく帰らせて貰えたらええけど」


ちょっとあたしもその辺は読めへんな。
あの人の体調とか機嫌にもよるし、なんせ向こうに帰るなら調べたいこともあるし


時間が欲しい



「連絡しろ。何かあれば呼んでくれ」


「呼んでええの?」


「あぁ、当たり前だ。杏が呼ぶならどこでも行く」


ついつい笑ってしまった。確かに泉なら呼んだら来てくれそうやから。


「ありがとう、大丈夫やで。とりあえず今日はゆっくりしよ。朔もヘロヘロやし」


ゆっくりでええねん。
何か特別な事がしたい訳じゃない。ただゆっくりと、みんなと過ごす時間が流れていくのを感じたいだけ



ただあたしは、少し軽くみてたかもしれへん。この、訳の分からん報告会を。

あたしはパーティーなどには出席しなかったからな…