愛は惜しみなく与う④

泉でも呼んだら大人しく飲むんちゃうやろか思って、身体を起こそうとすると、朔のもう片方の手があたしの後頭部にそっと添えられた

右手は朔に掴まれ、頭は朔に固定されて


まるでいまから


キスするんちゃうかってくらい


顔が近くて…




「口移しで水ちょーだい」



そう言った朔は、あたしが知る朔の中で、史上最強に色気のある顔をしてた

そんな顔でそんなこと言うなんて思ってもなかったから


多分0.5秒は固まったな



「熱で頭いかれてるんちゃうん?」


0.5秒固まった後に、あたしは朔のデコに軽く頭突きをした。本当に軽くやで。コツンって、うん

痛い!と朔は言うたけど。軽くした、つもり



あたしの頭の拘束は解かれたが、そのまま朔の腕はあたしの腰に回り、割とホールドされてる

えっと

んっと




「寂しいん?」


久しぶりの風邪で心細いんやろうか
いつもと雰囲気が違うから、少しドキッとしてしまったよ


「寂しいって言ったら側にいてくれんの?」

「寂しい言わんでも、側におるよ」


心細いんやな、うん