鈴は志木が好きやったのに、あたしは志木を手放さへんかった。
どうしても志木だけは、あたしの味方でいてほしかったから。
子供の頃の意地やろな
今となっては、志木の過保護さに感謝しつつも、やりすぎだと思うけど
きっとそうさせたのもあたしや
ま、とりあえず!今は朔やな
「杏!朔着替えさせたぞ?」
朔の洋服を着替えさせてくれた響がリビングへ戻ってきた。
よしよし
朔の部屋に行きベッドで眠る朔をみると
胸が痛くなった
しんどそうや
「朔?ちょっと薬飲める?」
市販薬はあるけど…。あたしが東堂で処方された薬が残ってるからそっちにしよう。
信頼できる薬やし。あたしはあんまり風邪ひかないから必要なさそう
「ん…起き上がりたくねぇ」
「これ飲んだら寝てていいから」
朔の側に行き首の後ろに腕を突っ込むが、なんせ熱い
熱上がってるんやな
「ごめん、気付かへんくって」
「お前のせいじゃねーだろ。馬鹿は風邪ひかないってゆーだろ。馬鹿じゃねーって証明してるんだよ」
こんなときにもアホみたいな事を言う。
それが馬鹿やゆうてんねん。



