愛は惜しみなく与う④



鈴は志木が好きやったのに、あたしは志木を手放さへんかった。
どうしても志木だけは、あたしの味方でいてほしかったから。

子供の頃の意地やろな

今となっては、志木の過保護さに感謝しつつも、やりすぎだと思うけど

きっとそうさせたのもあたしや


ま、とりあえず!今は朔やな



「杏!朔着替えさせたぞ?」

朔の洋服を着替えさせてくれた響がリビングへ戻ってきた。
よしよし

朔の部屋に行きベッドで眠る朔をみると


胸が痛くなった

しんどそうや


「朔?ちょっと薬飲める?」


市販薬はあるけど…。あたしが東堂で処方された薬が残ってるからそっちにしよう。
信頼できる薬やし。あたしはあんまり風邪ひかないから必要なさそう


「ん…起き上がりたくねぇ」

「これ飲んだら寝てていいから」


朔の側に行き首の後ろに腕を突っ込むが、なんせ熱い

熱上がってるんやな


「ごめん、気付かへんくって」

「お前のせいじゃねーだろ。馬鹿は風邪ひかないってゆーだろ。馬鹿じゃねーって証明してるんだよ」


こんなときにもアホみたいな事を言う。
それが馬鹿やゆうてんねん。