愛は惜しみなく与う④

響もぴょんとこちらへきて、朔を押さえ込むのを手伝ってくれた。

「ひ、響!おまえ!」

「しんどいなら言わなきゃ」

そーそー!言わなきゃわからへん。それかもっと、しんどいって顔に書いてくれ


そして結局熱は39度
こりゃしんどいわ


「アホやな。1人じゃないねんから、我慢せんといてよ」


朔の腕をあげてあたしの肩に腕を引っ掛ける。よいしょと


「お、お前な!」

「何よ、フラフラのくせして」

あたしに寝室に連れて行かれるのが嫌なのか、ジタバタと暴れる朔

見兼ねた泉がこっちにきて、あたしから朔をひっぺがし、担いだ



「杏じゃなくて、悪かったな」


どう言う意味かわからへんけど、泉は朔にそう言って笑ってた

うっせ!ばーか!といいながらもしんどいんやろな。泉に大人しくかつがれて、ベッドに強制連行された


はりきりすぎて、おかしいなって思ったのに、すぐ気づけへんかった

悪いことした


「病院行ったほうがいいのかな?」

「んー少し様子みるわ。朔も病院嫌がるやろうし。泉のために買った解熱剤があるはず」