愛は惜しみなく与う④

女も女で気が強いのか、あたしの方が知ってるわよと言い返す。
意味わかんねぇ

今すぐにでも帰るぞって連れて帰って…ここから離れたかった

けど杏が話す事が気になって、動きを止めた



「あんたらより泉を知ってる」


女の切り返しにプチンと来たのか、えらく口が悪くなった杏は、シジミみたいな目見開いて、クソつまってそうな耳かっぽじって、よく聞け

そう大きな声を出した

笑いそうになった

どんな口喧嘩だよ
いつもと変わらない杏に少し癒されたが、その後に自分でも不思議なくらい泣きそになった


泉は総長である以前に、1人の人間や。蕪木泉ってゆう人間や。



杏がそう言うからさ
俺のひねくれた心に、ストンと落ちてきたから。危なかった。その場で聞いていたら少し目が潤んだかもしれない


あんたらに泉を好きになる資格はない！とっとと失せろ！


俺のために怒ってくれてるんだな。
話してたらイライラするだろうに。杏だって嫌な思いするだろうに。


そして杏は俺のことを『ちゃんと知りたいと思ってる』そう言った

そしてそこから、杏からみた俺の話