扉を開けると、カーテンのかかったベッドがひとつだけ
そして声が…
「なんだよ、あの日の続きでもしにきたのか?」
少しかすれた声がした。
その言葉はすぐに、杏に向けられた物だと分かった。
俺がそう理解する前に…
志木さんが動く
カーテンを開ける音
そして志木さんの手は、水瀬の目元を覆い、もう片方の手は首に添えられた
その行動は早すぎて目で追うのがやっと
「血の気多すぎや」
杏はため息をついて、後ろから志木さんの肩をポンと叩く
志木さんが暴れたら俺1人じゃ無理だから、杏が冷静で助かった
そう思ったのも束の間……
「なんだよ?男も来たのか。あいつは?朔はどうしてる?俺も直接絶望する顔が見たかったよ」
こいつ…
イラッとして身体が動いたが、目の前の光景を見て、身体が停止する
ドカッ
「お前のしょーもない欲望に、朔を巻き込むな!!!!」
杏は志木さんを押し退けて、水瀬の胸ぐらを掴みそして…
ベッドの下に引きずり下ろした
そして冒頭に戻るわけ。
「言わんこっちゃない…」



