ふざけんなよな
囚われて、身動きできひん状態で、もがいてるのは、あたしやのに
「とりあえず…行きましょう」
チラリとあたしの様子をみて、眉を下げた志木は、車のキーを回してエンジンをかける
「助國さんに、まだ病院に来るなって言われてるから、ちょっと静かに話せる?」
「……多分?」
自信はないけど。静かに話せる。
あたしが多分と答えると、泉はだよなーって苦笑い。ごめんやん
「杏様に静かにしろって言うのは、ナマコに芸をしろと言っているようなもんですよ」
……はぁ!?!?
すました顔で運転する志木から、とんでもない言葉が聞こえてきた。
なんて失礼なやつや
「な、ナマコ…」
「泉!!笑うな!!」
志木の横腹を指先で刺した。
うっと小さな声を漏らした志木は、フル無視する。
「大丈夫!あたしだって声小さくできる!」
ほんま人をなんやとおもってんねん!!それくらいできるわ!子供じゃないねんから!
むかつくし2人とも睨んでおく
志木と泉のクスクスといった笑い声が車の中で聞こえた
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