愛は惜しみなく与う④

「いつまで手握ってんだ」

中野さんの手を思いっきり、つねる泉
今のは絶対痛い…

そして中野さんはあたしをジロジロ見て言った。


「オレの耳に届いた情報では、ゴリラみたいなムキムキの女が、男のフリして烈火に入ったって言ってたけどなぁ」


全然違うじゃないか!と笑う
いやいや!

なにそれ…失礼にも程がある!!!
ごりらは…まぁよく言われる例えやけど!


ムキムキって…それに男のふりもしてないし。なに一つ情報あってへんやん


「それ言ったやつ逮捕しといてくれへん?」


あたしの噂ってろくな噂ないよな


「まぁ烈火に入るって…な?あの烈火だぞ?お前が総長なってから、人気急上昇じゃん」


泉の肩をドンドンと叩く。それをすごく嫌そうな顔をしてみる泉

チームに人気とかあるんか、まぁあるか。薔薇も割と人気やったしな!


「お前が女と一緒にいるところを拝めたし、今日はいい仕事したわ」


ぐーんと背伸びしたけど、ノーヘルで取り締まらんで大丈夫?あたしら的には見逃してくれたらありがたいねんけどさ?

そんなあたしの不安な表情を読み取ったのか、泉は中野さんを指差して言う


「あいつ、交通機動隊じゃねえ。普通に刑事事件担当する、警察官だ」

「え?白バイは?」


中野さん、白バイ乗ってたやん?