愛は惜しみなく与う④

膝を抱えて皐月ちゃんは呟いた


「新となんて、付き合わなきゃよかったって、思っちゃった」


そう言った瞬間、小さな体を抱きしめた。
あかん、あたしも泣きそうや
すごく辛い、悲しい。


「最低だよね。あたし、新には、すごく助けてもらって幸せも貰ったのに、そんなこと思ったの。そんな自分が嫌になって、このままここに居たら、きっと新を傷つけるから。

だからあたしは、引っ越したの。離れなきゃって思った」


大好きな人と、付き合わなきゃよかったなんて思ってしまうくらいまで追い詰められてたんやな。


「最低なんかちゃうよ。皐月ちゃんは、新のことを想ってそうしたんやろ」

「逃げたんだよ?」

「違う。それは、逃げなんかじゃ無い」


誰かを想ってした行動に、正解不正解はない。


「皐月ちゃんは、新と自分の気持ちを守ったんやで」


あたしならどうするやろうか。
喧嘩もできない、か弱い女の子やったらどうしてたやろうか
離れてしまいそうや。


離れてでも一緒に居る未来を、選ぶことができた皐月ちゃんは、強い