愛は惜しみなく与う④


皐月ちゃんが震えてる
きっとこの女達と何かあったんやろな。
分からへんけど、人がこんな風になってしまうのを、あたしは知ってる


誰かに怯えてしまう
それだけ恐怖を与えられたってことやから


「お前も生意気だな。あたしらが頼めば、あんたらみたいな女、ズタボロにしてやれるけど」

「あっそ。興味ないし、誰に頼むか知らんけど、それ以上しょーもない話する気なら、後日にしてくれる?」


全部上から物を言う女
周りの女もまぁ性格悪そう。顔に出てる。

そしてあたしに何を言っても無駄だと思ったのか、標的が皐月ちゃんに戻った


「あんたまだ、新くんと付き合ってんの?」


そう言われてビクと肩を振るわせた
あかん。この場にいたら皐月ちゃんが…

「いくよ」

無理矢理皐月ちゃんを引っ張り、女達に背を向けて歩いた

関わらんほうがいい。今はあんまり目立ちたくないから

後ろからクスクスと笑い声が

……くる


背後から放り投げられた何かをあたしはキャッチした

飲みかけのコーラの缶

最悪

思いっきりかかったし


「杏ちゃん!」

「大丈夫」

こんなん相手してられへん。缶をゴミ箱に捨てて、女達は無視

こういうのは無視が一番