「皐月も強えーよ!負けなかった」

「そんなことないよ。何度も何度も…」


そう言って皐月は黙ってしまった。
皐月だって俺たちから見たらすごく強かったよ。でもきっと…心ではいつも泣いてたんだろうな


「杏はな、強いとか弱いとか、そーゆう分類じゃないんだわ。ほんと、ぶっ飛んでるから。俺たちでもびっくりするくらい」


そうだよねー
呼び出しされても、スキップして屋上行ってたからね。俺たちの知らないところでもいろいろ言われてるだろうに…

蹴散らしてやったぜ!って喜んでるから、凄いよね


「新がね、杏ちゃんのことで、唯一何回も言ってたことがあるの」


どんな子だと聞いても、会ったら分かる。そうずっと言われてたらしい。

でも一つだけ



「あの時、皐月のそばに杏が居たら、皐月を悲しませることもなかったんだろうな。って…新がね、何回も言うの」


すごく切なくなった
新は後悔していた

自分と付き合ったせいで、皐月が苦しんでいるかもしれないと

烈火が入ることで、余計苦しませたかもしれないって…何度か漏らしていた