愛は惜しみなく与う④

「俺も」

「え?」

「だから俺もだって!!」

突然の俺もという発言に皐月は首を傾げた。何が?そう聞く。そりゃそうだよ

俺もどうなのか、言わないと


「だーーー!俺も好き!」

「うっそ」


ポカーンと口を開けて皐月は固まってしまった。面白い
こっちにきて早々、皐月の頭は混乱しっぱなしだろうね


「ちなみに、泉もだから」


一番分かりやすい人を言っておかないとね。泉は全面に好き好きオーラが出てるから。

皐月は歩みを止めて立ち尽くしてしまった


「びっくりした?」

「う、うん。だって、え?まさかの蕪木先輩も?3人が?」


ちょっと、面白いくらいにテンパるから、笑ってしまった。
でもそうか。俺たちのことを知ってる人からすると、驚くよね

皐月がまだこっちにいた時は、俺も朔も遊びまわってたし…
泉なんて、女の子と話しさえしなかった

それが、こんなことになってるからね


「ちょっと!新、私に何も教えてくれてないじゃん!」


何も聞かされてなかったのか、皐月はもう!と怒る。
きっと新は、こうやって驚く皐月を楽しみにしてたんだろうね