愛は惜しみなく与う④

皐月には、それが伝わってたみたい

ただ杏ちゃんの話をして、いつもと違う俺に気づいたのならそれは


「俺は杏ちゃんが好きだから」


他の子とは違う。だから、他の子の話をするときとは違う風に見えたんだろう


「え?好きっていうのは、恋愛感情?」

「そうだよ?まだ伝えてないから秘密ね」


前面に好きだとアピールしてるつもりだけど、杏ちゃんには全くと言っていいほど伝わっていない

少しくらい自惚れたらいいのに


「え?え?朔くん聞いた?慧くん好きな子出来たんだって!」


うっそー!と笑顔の皐月
朔にねぇねぇ!と言うが、朔も少し反応に困ってる

だって、朔も好きだもんね


「本人以外知ってるよ」

「ほんと?杏ちゃん、慧くんを惚れさせるなんて凄い子なんだね!新はそんなこと教えてくれなかったよ」


女の子って恋話好きだよね。皐月のテンションが明らかに上がった


「皐月?俺だけじゃないよ?」

「ん?どういうこと?」


杏ちゃんを好きなのは、俺だけじゃないから

チラリと朔を見てみると目が合う
頭をガシガシとかいて、ため息をついたあと口を開いた