愛は惜しみなく与う④

加古は強かった

まだ中学生だった俺たちとは、体格も違った。どんな気持ちで挑んだんだろうか

新のこと、かっこいいって思ったよ



「ちょっと、聞いてる?」

「え?」


昔のことを思い出して、皐月の話が全く耳に入ってなかった
今は明るさが戻ってよかった


「慧くんからみて、杏ちゃんはどんな子なの?」


そうか。そんな話をしてたね


「可愛いよ」

「ちょっと!慧くん、それ誰にでも言うでしょ?」

「んーん。杏ちゃんは特別可愛い。それですごく優しくて、可愛くて、仲間想いの子」


あれ?可愛いって二回言ったかも?
でも本当のことだから


「おいおい、黙ってたらって言葉つけろよ」

「えー?俺は杏ちゃんは黙ってなくても常に可愛いと思うよ?朔は素直じゃないね」

「な!!常には嘘だろ!」


そうかな?常に可愛いけど?


「鬼みたいな顔して殴りかかってくるときあるぞ?」

「それは朔が悪いんでしょ…」

何もしてないのに鬼のような顔で殴りかかってくるような子じゃないでしょ?
そーゆうときも、たまにあるってだけ