重くのしかかる言葉
俺に与えられた2択は、親父の死を左右する
泉や慧、響。それに新
何があっても、嫌なことをされても、いい思い出がなくても…
杏だって…
自分の親は大切にしていた
何が嫌だとしても、自分の親だからと。
あいつらみんな、優しいからさ
でもさ
俺は違うから
「別にいいよ」
別にいいんだよ、本当に
「そうか。じゃあ明日からさっそく手伝ってほしい仕事があるから、昼過ぎにもう一度自分で来るんだな」
ちがう
「別にいいって言ってんだろ?」
「は?」
「あの男を殺せば?って言ってんだよ」
俺は優しくないから
俺を捨てた奴らなんて、俺は知らない。
薄情だと思われても気にもならない
だって俺にはもう
新しい家族みたいな、仲間達がいるから
どこかの一室で怪我の治療をされている。その場にいた、見たこともない男は、ぽかんと口を開けたままだ
「父親だろ?」
「昔な。今は違う。他人だ」