愛は惜しみなく与う④

「は?何お前」

「引っ込んでろよブス」

いや、こんなこと言うのもなんやけど!!!絶対あたしの方がブスちゃう!!!

お姉様方の顔は、化粧が濃くて原型分からへんけど!!
そんな可愛くないわ!


ガルルルルとなる寸前で、目を閉じていた泉が笑った


「ブスはお前らだ、くせぇしどっかいけ」


くさいはちょっとかわいそうかも。
まぁたしかに甘ったるい臭いが凄い。響が嫌う臭いや


「は?何?こんな色気のない女の方がいいって言うの?」


色気ないは余計や!!それは百も承知や!!

響はあたし達から離れて少し遠くの木からこちらを見守っている。


「これだから、お子様は」


はぁとため息をつかれる始末
なんて失礼な人たちや!!

そう言いながらも、泉のことを諦め切れないのか、どうでもいいから早く行こうと腕を引っ張る

スゲェな、おい


泉そろそろ怒るんちゃう?そう思った時、泉は言った



「お前らのは色気じゃない。ただ下品なだけだ。色気っつーのは、出すんじゃねぇ。好きな奴に、感じ取ってもらうもんだ」