ご飯を終えてすぐに、泉が杏の部屋へ行く


「ガシャって音してたんで鍵閉めてますよ?」

「ん…杏の部屋のドアの鍵、爪で開けれる」


………はい?
あの、手慣れた泥棒みたいなのやめてくれません?夜な夜な侵入してるってことですか?

私の怪訝な視線もスルーして、杏の部屋へ入っていった



「あいつ、ストーカーとかなりそう」

「ええ、私も今心配になりました」


朔がまじかよと呟く
今回ばかりは、朔に同感です


そしてすぐに涼しい顔をして帰ってくる


「何してきたの?」

「ん?ちゃんと寝れてるか、みた」


いや、怖いですよ
何を言っても動じないので、この話に関しては突っ込むのをやめにしました。

誰も知らなかったですし、杏も知らなかった



悪夢にうなされることが多くなった杏が、落ち着いて安心して眠れるように


杏のそばにいる。
呼吸が深くなるまで。
うなされないように。


誰も知らない泉の日課



スコーピオンに近づいてから、乱れた杏の睡眠を、ずっとそばで見守る



大丈夫だよ、
だから、


おやすみ


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