あまり大きな声だと杏に聞こえるよ?響はやれやれといった様子で、先に部屋行くよとリビングから出た
「朔、祭りの日、皐月が帰ってきます」
「お?まじ?久しぶりだな。杏にも言ったか?」
「ええ。楽しみだと喜んでました」
「皐月と杏か。なんかピンとこない組み合わせだけどな。ハハハ」
杏の夏らしいことがしたい
その一言で随分盛り上がった
できれば杏の楽しい思い出の中におさまるような日にしたい
ろくな思い出作ってやれてないから
この日くらいは
そう思った
何が迫ってきているか分からないし、時間がどれくらいあるのかも分からない
だからこそ
楽しめる瞬間は楽しもう
そして俺は
あの日、個人的に水瀬と連絡先を交換したから
水瀬に接触する
これが俺にできること
朔と慧は、2人で話すことがあるらしく、もう少し起きてるらしい
先に寝よう
明日から黒蛇のことを探るため、少し忙しくなりそうだ。
杏とお祭り
楽しみだな
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