愛は惜しみなく与う④

杏も元気になって、いつも通りの日常が戻った。あんなことがあったなんて、忘れてしまいそうなくらい平和

朔が杏のアイスを食べて、杏が怒って…

平和そのものだ

2人でコンビニに行ったはずなのに、杏が1人で帰ってきたときは焦ったけど


「朔の元カノが泣いてたから、2人で話すよう置いてきた!」


そう杏は言ったけど、あいつに元カノなんてまともな女はいない

みんなそう思ったけど言わない

きっと朔が一番、頭抱えてるはずだから。


「なーなー!なんかさ、プールとか行かへん?」

「昨日まで高熱で入院してた人が、何を言い出すんです?」

「いや、そーやけどさ?なんか…夏っぽいことしたくない?」


杏がそう言いたい気持ちもわかる。
だってドタバタし過ぎて、本当に休みってゆう休みじゃないから

夏っぽいことなぁ

なんだろ


「お祭り行く?」


慧がハイっと一枚の紙を杏に渡す

それはこの近くの商店街で毎年開催される、地元の祭り。
そういえば、そんな時期か…

ここ数年行ってないから忘れてた