愛は惜しみなく与う④

「まじで、そんな気分じゃねーんだわ」

「振られたしね」

「は???」

振られてねぇよ!ってか、告ってもねーから!振られたと言う単語に過剰に反応してしまった


「あんたが何処でどんな恋愛してるか知らんし興味もない!って言われてなかった?振られたも同然じゃない?」


美波の言葉がグサリと突き刺さる
俺も思った。興味ないって……はぁ

分かってたけど、あんなハッキリ言わなくてもよくね?


「烈火の幹部の彼女なんて、みんな喜んでなるのにね」

「杏はそんなん考えたこともないと思う」

「あたしと朔くんが付き合ってて、別れ方が微妙で、あたしが納得できず泣いてるってゆう風に勘違いされてたけど…」


クスクス笑う美波

もう、傷をえぐるなよ


「ほんと、真剣に考えだすんだもん。笑っちゃうよ。途中であたしに、『朔は悪い奴ちゃうから、落ち着いて話してみて』ってコッソリ言ってきたよ?」


まじかよ…

はぁ

2年前のセフレですなんて、言えねぇ…


「ただの男前の女の子で、こっちが突っかかる気も失せたわよ」