愛は惜しみなく与う④

「あたし、凄い鬱陶しい態度とったのに、最後はあたしのこと考えてくれてたし、あたし朔くんよりも、あの子に抱かれたい」


いやん!
といつものふざけたノリで美波は笑う

そう、ほんと、こんな感じのやつなんだよ


「久しぶりに抱いてほしくて来たんだけど、ほんと抱いてくれない感じ?それとも、今の子、脈なしっぽいし、あたし抱いとく?」


代わりでいいよん!
なんてウインク付きで美波は俺を誘う

昔なら普通にホテル行ってただろな

まじでー?やったーって言いながらさ

でも違うんだ


「杏の代わりなんて、いないんだよ」


もう今は、杏が好きだから。こんな気持ち初めてでよく分からないけど、美波が可愛く見えなくなったから

そんな事したいって思わなくなったから


ただ杏と一緒にコンビニまで歩いたり、アホな話してるのが…

今はそれが楽しいから



「わりぃ、近くまで送るから、帰ろう」


ここで美波を一人で帰すと、杏に怒鳴られそうだからさ。


「朔くん、かわったね。絶対ノリノリだと思ったのに」