愛は惜しみなく与う④


「ねぇねぇリアルに落ち込むのやめてくれない?萎えるんだけど」

「俺はお前みた瞬間に萎えてんの。せっかく杏と2人だったのに」


はぁ。溜息しか出ない
俺と杏の組み合わせって、結構珍しいんだ。あまり2人で外に出ることがなかった。

理由は、この組み合わせは絶対トラブルを引き起こす!ってみんなに言われたから

いつも誰かと一緒に行動してたけど


やっと杏と2人で出掛ける口実できたのにさ?本当、俺の時間返せ

って美波に言ったところで変わらないか


はぁ


もう一度ため息をつくと美波は俺の顔を覗き込む


「好きな人って、あの子?」

「だったらなんだよ」


俺は今、俺の過去を呪ってる
自分がしてきたことだから、何を言っても自分が悪いんだけどさ


「あまりにも真っ直ぐで、しんどそう」


美波は笑いながらそう言った

それは俺も思ったよ



杏は真っ直ぐだ
どんなことにも全力で、そして

真っ直ぐ意見を述べる


だから好きだけど



自分がクソ野郎だって



再認識してしまった