愛は惜しみなく与う④

時刻は夜中の0時を回ったくらい


こんな時間に女の子1人でって、危なくない?ってゆうかなんであたし、睨まれてんの?


「美波?こんなところで何してんだ?」


女の子を見て驚いたのは朔もそうだが、朔の驚きはあたしとは違う。朔の知り合い?

どうしてこんなところに?と驚く朔の声を聞いて、女の子は涙目になりそして



朔に抱きついた



ナンヤコレ


「朔くん!!!どうして急にいなくなるの!!!」


「うわっ!やめろよ、くっつくな!」


女の子の頬っぺたに手を当てて、ぐいぐいと押しやる朔

その扱い女の子にしてええんか?

女の子の顔、思いっきり変形してるで?


「連絡もつながらないし、もう誰とも遊んでないって聞いて…あたしずっと探してたんだよ?」


……えっと?


「先行ってるで?」


なんか長くなりそうやし…
てゆうか、巻き込まれそうな気がするし…

じゃ!と小さく手を挙げて小走りでこの場を去ろうとしたが、アホが大きな声を出した



「杏!待ってってば!」


ゴルァ!!!夜中や!静かにせぇ!!