愛は惜しみなく与う④

食べたけどさ?

家の方向に足を向けて、のんびり歩く
アイスを食べたからか、暑いのもおさまり、なんだか眠くなってきた

ふぁああって大きなあくびをした時、口の中が一気に冷たくなった

ビクッとすると

隣の朔は笑ってた


「なんなん?いらんの?」

「俺メロンってそんな好きじゃなかった」


なにそれ

朔のかじりかけのアイスを口に突っ込まれた。メロン美味しいのにさ?

後はもう、ゆるーく話しながら、ちんたら歩く


朔も元気そうでよかった。
あれからドタバタしてて大変やったけど、みんないつもと変わらずで安心。


後はあたしが自分の事を片付けなあかんだけやな。
次に東堂に帰った時は、あの日の事件のことを調べよう

ずっと避けてたけど、あたしもそろそろ向き合わなあかんわ


「杏?」

「ん?」

「俺さ…」


そう何か、朔が言いかけた時、暗闇から突然目の前に女の子が現れた


「び、びっくりした!」


完全にボーッとしてたから、人の気配なんて気づかなかった。
目の前に飛び出てきた女の子は


キッとあたしを睨んだ

なんで?