愛は惜しみなく与う④

そうそうって頷くと、男達の、なんだよこいつって言う視線ともう一つ…



「ギャハハ!お前何しらねぇ奴に、あたし可愛いねんとか言ってんだよ!!!頭おかしいだろ!」


トイレでてきた朔が、馬鹿笑いしながらあたしの元へ歩いてきた

「長すぎひん?」

「腹痛かったんだよ」

それにしても、長いわ。結構待ったしさ?まぁええけど


「で、絡まれてんの?」

「ん?可愛いって褒めてもらっただけ」

「お前ほんと、すごいわ」


ケタケタ笑う朔はあたしの頭の上に、ドンと手を置く



「やばい奴に絡んだって思ったろ?こいつほんとヤバイから、さっさと消えな?」


朔がそういうと、朔に見覚えがあったのか、男2人は「こいつ烈火の幹部…」と呟いて逃げていった


「ええな、顔知られてて。顔見て逃げていくとか楽やん」


「顔知られてて、いいなって言う女、いないぞ?」


少し呆れたように笑った朔は、あたしの持っていたもう一つのアイスを奪って、口に入れた


「ちょ!それ最後の一個!」


「んだよ!お前待ってる間、一個食ったろ?」