愛は惜しみなく与う④

あたしおらんなったって、朔が騒いだら、泉達が飛んでくるから、大人しく待つ


大事にアイスを食べていても、もう無くなっちゃう。

一個しか残ってなかったことにして、証拠隠滅しよかな?
今食べてるやつ食べ終わって、ゴミ捨てれば…アイス一個しかなかったゆうて、あたしもう一個食べれるやん!

ラッキー

なんて考えてると、あたしを指差して近づく影があった


「俺らの探してたアイスじゃん!!」


チャラチャラした男2人があたしを指差して…というか、あたしのアイスを指差して大きな声を出す


「今買いに来たら売り切れてたんだけど、ひと口くれない?」


ニヤニヤ笑う男が鬱陶しいから、残ってたアイスをひと口で全部口の中に入れた

つめた…


「はい、ほなゴミでも捨てといて?」


あ、やば。そんなこと言うつもりもなく、穏便に済まそうとしたのに、気づいたら口が動いてた。

すーぐ人を煽る癖なんとかせな


「は?可愛いからって調子乗んなよ!!」


……?褒められた!
可愛いからってってさ!
ありがとうありがとう

最近、可愛いなんかこれっぽっちも言われへんから、忘れてた



「あたし、それなりに可愛いねん」