愛は惜しみなく与う④

朔と縁を切らない理由が、借金?最低すぎるだろ

その後に大和が帰ってきて
家の中は殺伐とした

騒ぐ大和に、警察に通報!と言う女

あまり騒ぎになっても困る
この内容が朔の耳に入るのも…避けたい

その日から何度か朔の家に行った。
養子縁組の書類にハンコを押してもらうために。

まぁ俺の親父のハンコもまだ貰えてなかったけど。動かないなんて、できなかった


目に見えて明るくなっていった朔
そして分かったことは
誰よりも優しい奴だと言う事。

痛みを知るからこそ

変に気を使いがちだけど
今の俺にとって、朔がいないなんて考えられないからさ。

こいつがそばに居るのが当たり前だから


だからこそ


俺は


朔の笑顔は守る
考えなしに、連れ出したかもしれない

もっといい方法があったかもしれない


でも朔が、毎日楽しいと笑ってくれる。


俺はそれだけで嬉しいからさ



だからこそ、この養子縁組の話は成立させたかった。
こうやって遅くなってしまったけど

だいぶ待たせたし、嫌な思いもさせたけど



「面倒みてやるよ」


弟でもなんでもいいから、朔は朔のままでいてほしい