愛は惜しみなく与う④

「わりぃ、親父と仲直りしたのって最近だからさ。改めて話せたのって最近なんだよ。朔を養子で取ってくれって。
親父の許可も出てる。あとは、こいつのサインだけで、全て終わるから」


泉はきっと、本当にこいつらとの繋がりを絶ってあげたかったんやな

この忌々しい家から


本当の意味で、出発できる


「お前、バカだろ!養子にしたら、俺、弟だぞ?いいのか?」


「そこだけ引っ掛かったけど、それはまぁ、我慢するさ」

泉は笑顔で朔の頭を撫でた
あかんあかん。あたしが泣けてきた

呆然と立ち尽くす3人は、一切誰も口を開かない


そして朔は1人一歩前に出て話した




「いい思い出なんて1つもないけど、一応生かされてたことは、分かるから、そこは感謝する。でも俺は、泉に助けてもらったあの日から、新しく家族ができた。
何も言わずに家を出たから、ずっと引っ掛かってたんだ」


少し俯いていた朔は顔を上げて言った





「世話になった。もう二度と帰らないし、二度と世話にならない」





サヨナラ



------