愛は惜しみなく与う④


「人の家?朔を家族だと思ってんのか?」

「手をあげたのはそっちだからな!警察に!!!「呼べば?警察。お前らの得になることなんて一つもないと思うけど」


泉が怒ってる
その声から感じる物凄い怒り


「お前らと言い合いしたい訳じゃない。これだけ済ませたら帰る」


そう言って泉は、財布から折り畳んだ紙を取り出した

何の紙?それ、ずっと…持ってたん?
泉は黙ってそれを広げた
 
その紙は長い間、泉の財布にあったのか、年季を感じるものだった



「後は、あんたのサインだけだ。それで全てが終わる。少しでも罪悪感ってのがお前らの中にあるなら、そこに名前を書いて実印を押せ」


淡々と話す泉
持ってきた紙には【養子縁組届】と書かれていた

その瞬間鳥肌が立った


泉はこれを



ずっと前から用意してたんや   



「お、い、泉?」

「…黙っててごめん。俺、まだ未成年だからさ。ずっと待たせてごめん。親父に頼んで…朔を本当にうちの養子にする書類を作ったんだ」


ほんま、やることが凄いわ
朔の目には涙がたまり、流れ落ちた


「なんで、俺、何も知らない…」