愛は惜しみなく与う④

玄関に手をかけて開くと

少し明かりが漏れた


あたしも緊張してきた


中からこちらへ向かってくる足音がする


「大和帰ったのか?」


そう息を切らし走ってきたのは
疲れ切った顔をした男の人


きっとこれが朔の父親なんだろう

その人は朔を見て、そして隣にいる泉に掴まれてグッタリしている大和を見て

目を大きく見開いた


「貴様ら!!!大和を離せ!」


そうこちらに向かって飛び込んでくる。
あたしは疑問やった。
大和は朔がいなくなってから、虐待されてたって言ってたけど

この人の焦り具合といい
赤羽組に大和を入れさせないために、赤羽組の不利な情報を流してたところといい

いま、蔑ろにされている様には見えへんかった。

朔が繋ぐ手にきゅっと力を入れた


あたしはそれに応えるようにして、力を入れ返し、そして父親が大和の所へ駆け寄るのを制した


「なんだね!女だからって容赦しないからな!」

「…別にええよ。あたしら話あってきただけやし、大和も、もう用ないし」


あたしがそういうと泉はパッと手を離した