愛は惜しみなく与う④

すぐに察した

朔の父親とその女の人は、朔がいなくなり、ストレスの吐口が無くなったんだろう

そしてそれは、大和に向いた
朔がいなくなって、大和への暴力が再び再開したのかもしれない


でもそんなの


「泉にも…俺にも関係ねーじゃん」


そうよな
関係ないよ。



「それで朔と泉を逆恨みするのは、ほんまに御門違いやで」


だってさ?そう思ってしまうんは、大和も子供やったし仕方ないんかもしれへんけど


「なんで朔の気持ち無視すんねん!」


泉の手からバッと大和を引っ張り取る
大和はあたしには勝てると思ったのか、少し暴れようとしたが

あたしがそれを許す訳はない


「弱そう思ったら抵抗か?そうやって弱いものにしかイキれへんのは、だっさいな。
それにな、残念ながらあたしは、あんたが思うほど弱くはない」


こいつもきっとかわいそうな子供時代を過ごしてきたんやろう。
弱いものに手をあげる。
それは育てた大人が、そうさせたんや

子供に罪はないのかもしれへん


でも


「今ならもうわかるやろ。自分のしてたことが間違ってること」