愛は惜しみなく与う④

そしてここからは、あたしの感情を爆発させるとするならば…


「とりあえずあんた、家行くまでに一回殴らせてくれへん?」


泉が引きずる大和を見る
話聞いてても鬱陶しかった奴

自分も同じような扱い受けてたなら、もっとできることがあったはずや

ま、子供やしな、その時は

仕方がないのかもしれへん

でもあたしは、朔の友達やから


「あんたのその時の気持ちとかどーでもええねん。あたしは」


こいつが朔のお母さんの写真を取り上げたのも聞いた。それがなかったら泉にも会えてへんかったかもしれへんとか
そんな事は今は考えへん

でも…むかつくもんは、むかつく



「…なんだ?何にキレてんだ?こっちだって兄さんが突然、蕪木に連れて行かれて、迷惑したんだ」

「は?迷惑してたのは俺だよ」

朔は眉をひそめて言う
泉は何故だか、少し困った顔をした。
どうしたんやろか



でもすぐに理由がわかった



「お前が…兄さんを連れて行ったから、今度は俺が殴られるようになったんだ!!!」


大和は、朔よりも泉を睨んでそう叫んだ