愛は惜しみなく与う④

公園を見ると、先程立っていた7人は全員倒れていた。
動けるけど起き上がりたくないって感じだろう

起き上がれば泉の相手をしなきゃいけねーからな


そして大和は、右頬が腫れている
俺が殴ったのとは違うところ

くそっ…悔しそうに呟く大和


泉は構う気配もなく、ただ家に向かって歩いた


「泉、あんた小学生の時から、そんな感じやったんやな!」

「ん?俺?普通だったけど…」

「あたし流石に小学生のときは、可愛く大人しくしてたで?てか、ランドセルとか背負ってたんやな」


泉のランドセルがほんまにツボやねんけど!!!

そう杏はケラケラ笑う
全く緊張感のかけらもない。でもそれがありがたかった。
話した後も、杏は何一つ変わらないから。

可哀想

そんな目なんて絶対しない

頑張ったなって

包み込んでくれた


俺頑張るからさ。



「2人とも、一緒についてきて欲しい」


もう一度伝えると
2人ともニコリと笑った


その笑顔は、他のどんな言葉よりも、勇気づけられるものだった



-----