愛は惜しみなく与う④

ある意味最悪なパターン

だけどもう一つわかるのは


「杏ちゃんのことだね、きっと。烈火のことなら朔は…バカなことしてでも抵抗したはず」


慧も腰に手を当てて、はぁと息を吐き、足元に視線を落とした。
杏の事となると…スコーピオン絡みか

一瞬全員が黙り込む



「すみません…少しお待ちを」



志木さんはそう一言断りを入れて、誰かに電話をかけ出した

志木さんが話す声だけ聞こえる



「雄作さん、私です。ええ。赤羽組のことでお話が。はい…はい」


誰かに連絡をとって、赤羽組という単語が…

志木さんも、杏が絡んでる。そしてスコーピオンが絡んでるとしたら、動かざるを得ないのか



「ええ、わかりました。責任は私が。数名送ってください。警察には私から」



ものの数十秒で会話は終わり志木さんは携帯をぷつりと切った。
そして言った



「赤羽組の摘発を早めました。スコーピオン絡みでしたら…動かないわけにはいきません。そして…泉?」

志木さんの目線はこちらに来る

そして言った



「水瀬に会わせてください」