愛は惜しみなく与う④

『ふーん?鍵は?あんの?』

『俺は…今は蔵に居るから。ここには用がなきゃ入らない』

『へー。でも用あるし、入りたい』


???どういうことだ?
とりあえず、助けてもらったのはありがたいけど、あそこで死んでもよかったし

なんかここに帰ってきてしまうと、どうしたらいいのか分からない


『あ、昨日の服…あいつらに取られた。ごめん』


泉が昨日貸してくれた服は、朝に父親に取られ、どこにあるかわからない


『あぁ、別にいいよ。それより、お前の荷物は?』

『荷物?』



『迎えに行くって言ったろ』


少しむすっとしながら泉が言い返してくる。
迎えに行くって…そういや昨日言われたけど、意味が分からないからさ?


『迎えに行くって言ったのに、お前はここに居ないし、探す羽目になった』


『いや…なにしに迎えにくるのかなって…』


そりゃそうだろ?
昨日が、まだ会って2回目だったんだぜ?何言ってんだって思うだろ


『1日待ってって言った』

『いや、それも言われたけど、全然伝わってねぇから!』