愛は惜しみなく与う④

わけわかんねぇ
わけわかんねぇ
わけわかんねぇ
頭の中はそれしかなかった


ついこの間助けてもらって、家の前で死にかけて俺を見つけて

そして死のうと思っていた今日


また目の前に現れた



『お前、名前なんだっけ』

は?忘れてんのかよ
答えようにも涙が止まらなくてうまく話せない

『……まぁいいや。これから時間はあるし、ゆっくり話してよ』


米俵を担ぐかのように俺は泉に担がれている。その間何も話さずただ泣いた

身体中いたいし、吐いたばかりで口の中も気持ち悪い


そして着いた


そう言った場所は、俺の大嫌いな家だった


帰りたくない家


ストンと道路に下ろされる
家には明かりがつき、時間的にも3人揃って飯を食ってる時間


『お前いつも1人で飯食ってんの?』

『…無かったら、食わない。それか少し前まではパクってた』


生きるために、なんて都合のいい言い方はしない。餓死しそうな時は、教わった万引きをしていた。最低だけど
そこまでして生きたかったかと聞かれると

正直答えられない