愛は惜しみなく与う④

そういや俺
こいつらにリンチされかかってたんだったな

そんなチンピラの会話も気にしないのか、泉は俺に立てるか?と尋ねる


立て、ない
力を入れるがはいらない

その時、後ろでチンピラたちはニヤリとし、泉の背後をとろうと動く


『危ない!』


俺がそう言う方が早かったのか、泉が動く方が早かったのか、わからないけど


泉はランドセルを振り回し、チンピラ2人の顔面にクリーンヒットさせる

そしてすかさず蹴り飛ばしチンピラは倒れた


はやすぎ


『何?今話してんだけど。用あるなら順番待てよ』


ギロと睨む泉は、小学生だなんて思えない。
ひぇぇと情けない声を出して後ずさるチンピラ達


俺に万引きしてこいと言ったリーダーぽいやつが口を開く


『俺は帝王の幹部だぞ?いいのか?俺に手を出して』


帝王って、この辺のチームだった気がする
やばいんじゃねーの?


『俺ほって逃げろよ』

『なんで?』

『なんでって…俺1人知り合い居るから、まぁなんとかなる』

『…知り合いならお前を見て助けるだろ』