愛は惜しみなく与う④

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新と志木さんは、何やら難しい単語を使いながら話している。

慧は心配そうな顔をして何やら考え込む

はぁ


ほんと、次から次へと…どうなってんだか


「杏と志木さんは、分からなかったと思うけど、聞いて欲しい」


この件については、早い事片付けないといけない。朔が何かを犠牲にしてしまう前に

3人とも手を止めてこちらを見る



「朔が何かを人質にとられてるとしたら、多分杏だ」


分かるんだよ

朔の気持ちも、朔の不器用な守り方も
分かってしまうから…



「だから杏様をこの場から遠ざけたのですか?」

理解したのか志木さんは、パソコンを触るのをやめて、しっかりと話す体勢になる


そう
杏に朔の飯を作ってくれと頼んだのは、この場にいたら都合が悪いから。


「慧も新も分かるだろうけど…。朔は大和や父親を人質にされたところで、きっと動じない。朔が自分を犠牲にする必要はないからな。だからこそ…きっと、朔があんな風に嘘をついたのは…

烈火か、杏の事を人質にされてるんだと思う」